Me(エムイー)-A(エー)工法の適用数が1年で40件を突破

― 地震時の引抜き力に対しても有効に働く場所打ちコンクリート杭工法 ―

戸田建設株式会社、株式会社熊谷組、ジャパンパイル株式会社、大豊建設株式会社、大洋基礎株式会社、東急建設株式会社、東洋テクノ株式会社、西松建設株式会社、三井住友建設株式会社の9社が共同で開発した「中間および先端に拡径部を有する場所打ちコンクリート杭工法Me-A (Multi Enlarged-nodes Ace pile)工法」の実績が、評定取得後1年の2015年3月時点で、施工済21件、施工中2件、計画中20件、合計43件となりました。

図1 Me-A工法の適用原理
図1 Me-A工法の適用原理

 

■ Me-A工法の概要・特徴

Me-A工法は、杭軸部の中間および先端に節状の拡径部(部分的に直径を広げた箇所)を設けて杭の支持性能を向上させる工法です。2014年3月に一般財団法人ベターリビングより技術評定を取得しています。板状の建物では、多くの場合で施工効率の向上やコストダウンにつながるため、採用されるケースが増えています。

【1】 より短く細い杭で性能を確保

  1. 拡径部は建物の重量を支えるのに有効に働くため、拡径部を複数設けることで、より短い杭、細い軸径で性能を確保することが可能です。
  2. 地震発生時には、建物を転倒させようとする力への杭の引抜き抵抗としても期待できます。この場合、支持層に拡径部全体を定着させることで、より大きな引抜き抵抗を確保できます。

【2】 工程の短縮、コスト削減

  1. 杭の減量化が可能となり、基礎工事の工程短縮やコスト削減を図ることができます。
  2. 一般的なアースドリル工法の施工機械をそのまま用いて施工できます。中間の節(拡径部)の施工では部分的に改造した掘削バケットを使用しますが、掘削機や設備は一般的なアースドリル工法とほぼ同じです。
  3. 先端のみを拡大する場合でも、上記 2. と全く同じ施工機械・設備、手順で施工可能です。引抜き抵抗の確保の目的で先端のみを拡大するケースでの適用も多くなっています。

 

写真1 施工状況
写真1 施工状況

■ 施工例 (仮称)横浜市中区相生町三丁目計画新築工事

地震時の引抜きに対する安全対策としてMe-A工法を採用しました。この建物は、地上14階地下1階の共同住宅、事務所、物販・店舗、飲食店で主要構造は鉄筋コンクリート造です。立体駐車場が隣接しており基礎部のみ一体化しています。平面形状はL型形状19.90m X 30.50m、立面形状はセットバックがなく整形です。

地震時に特に大きな引抜き力が発生する3本の隅柱直下の杭に、先端部の節状の拡径部で引抜き抵抗を負担させるMe-A工法を採用することで、杭長を短くすることができました。

発注者 三井不動産株式会社、丸紅株式会社
建設場所 横浜市中区
用途 共同住宅、事務所、物販・店舗、飲食店
構造規模 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上14階、地下1階
杭の仕様

場所打ち鋼管コンクリート杭(Me-A工法)
軸径1.8m、拡大径2.9m、杭長40.6~43.4m
軸径1.5m、拡大径2.1m、杭長40.5m
計20本(うち3本をMe-A工法)

共同開発者9社では、評定取得後に本工法の研究会を発足させ、実施設計、施工を通じて、設計や施工上のデータを蓄積するとともに、より実務に即したマニュアルの整備を進めています。今後、さらなる本工法の適用の拡大に努めていきます。

 

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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