端部を拡径加工した鉄筋を用いるTrunc-head(トランクヘッド)工法を開発
― プレキャスト部材接合部の配筋作業の省力化で生産性を向上 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井英雄)と片山チエン株式会社(大阪府東大阪市本庄西2丁目3番43号 社長 片山知紀)は、鉄筋端部を鍛造により円錐台形状に加工し、プレキャスト部材の接合部で使用するTrunc(※)-head工法を開発しました(特許出願中、意匠登録(登録第1551641号))。
(※)Truncは、円錐(circular cone)の上部を切った(truncate)形状の円錐台(circular truncated cone)に由来しています。
■ 開発の背景と特徴
建設現場では熟練工が不足しており、工場で製作するプレキャスト部材の使用など、省力化による生産性の向上が求められています。今回開発したTrunc-head工法をプレキャストPC床版等に用いることで、現場にて一体化する際の接合部の鉄筋作業が、フックやループの形状に加工した鉄筋を使用する従来の工法に比べて容易になるとともに、コンクリートが充填しやすくなるため、施工の効率化と品質の向上を実現しました。
床版継手部の模型(アクリル部分はプレキャストPC床版の端部)
■ 現在の開発状況
これまでに、高速道路橋などの床版工事への適用を目的とした床版試験体曲げ試験と、輪荷重疲労走行試験を実施し、従来使用されているプレキャストPC床版の接合方法と同等の性能であることを確認しました。
床版試験体曲げ試験 (当社技術研究所) |
輪荷重疲労走行試験 (NEXCO総研所有 輪荷重走行試験機 施工技術総合研究所(※)) |
(※)NEXCO総研:株式会社高速道路総合技術研究所
施工技術総合研究所:一般社団法人日本建設機械施工協会施工技術総合研究所
■ 今後の展開
当社は、新設のプレキャストPC床版工事に加え、今後見込まれる大規模インフラ更新事業における老朽化したコンクリート部材の取替え工事等への適用に向けて取り組みを進めてまいります。
<お問い合わせ先>
リリースに記載している情報は発表時のものです。