建物構造安全性情報提供サービス「ビルディングレコーダー®」を事業化
―地震時に建物の変位を計測して構造的な安全性を確認―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)と株式会社免制震ディバイス(東京都千代田区三番町6番26号 社長 田中 久也)は、建物構造安全性情報提供サービス「ビルディングレコーダー®」を開発し、事業としての展開を開始しました。
■ 背景と経緯
2016年(平成28年)4月に発生した熊本地震では、震度7クラスの地震を2日連続で観測しました。この経験から、建物管理者等にとって地震発生後に円滑な初動対応を行うためには、建物の被災状況に加え、同規模震度の余震に対する構造的な安全性を直ちに確認することは非常に重要なことであることを認識しました。
当社は、2008年(平成20年)から地震時に建物の構造的な安全性を評価するシステムの開発に着手し、2011年(平成23年)に実用化しました。その後、当社の本社と全国の支店事務所にBCP(事業継続計画)の一環として順次設置・運用しており、この度、建物構造安全性情報提供サービス「ビルディングレコーダー®」として、事業化することとしました。
■ 本サービスの概要
本サービスは、地震時に建物の水平変位を計測し、建物管理者等に構造的な安全性の情報を迅速に通知して円滑な初動対応を支援するもので、具体的な流れは以下のとおりです。
- 対象建物の設計情報(構造種別・階高・剛性等)に基づき、荷重と変形の関係を解析して本サービスにおける構造的な安全性の「判定基準」を設定。
- 対象建物の上階床スラブ下面の構造体に可視光カメラを設置し、下階床スラブ上面の構造体に設定したターゲットを常時撮影。撮影した画像を解析することで「層間変位」(建物の揺れ幅)を計算。
- クラウドサーバー上で「判定基準」と「層間変位」を解析。本震と同規模震度の余震に対する建物の構造的な安全性を評価し、建物管理者等に情報をメールで通知。
【判定基準の設定(イメージ)】 |
【サービスの概要】 |
■ 本サービスの特徴
常時撮影するため、地震の揺れが収まった状況ではわからない最大変位(建物の最大振れ幅)と被災後の建物の傾きを把握することができます。また、クラウドサーバー上での解析とメールでの通知を行うため、建物管理者等は被災建物の内部に立ち入ることなく迅速に安全性を確認することができます。
■ 今後の展開
当社は、事業継続への取り組みを支援するサービスとして、「ビルディングレコーダー®」を積極的に展開してまいります。
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