風力発電用200m級タワーと架設用機械の共同開発に着手

― 発電機の大型化で高まる再生可能エネルギーの需要に対応 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)とMammoet社(オランダ:ユトレヒト市 CEO Paul van Gelder)は、風力発電用の200mタワーとその架設機械の共同開発に着手しました。

 

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【風力発電用の200m級タワーとその架設機械のイメージ】

 

■ 共同開発に向けた合意の経緯

欧州に続く日本の2050年までのカーボンニュートラル宣言、米国のパリ協定復帰も予想される中、世界が脱炭素化に向かい、ますます再生可能エネルギーの需要が高まっています。そのような中、太陽光に続く次世代の再生可能エネルギーの主役と位置付けられる風力発電は、陸上から洋上へとその舞台を移しつつ、ますますその発電出力の大型化(10〜20MW)が望まれています。

これまでは大型クレーンの施工を前提として、100m前後のタワーが主力であったものの、今後の発電機(発電出力)の大型化を可能とするためには200m級のタワーが必要となり、そのタワー構造と架設機械の開発が急務となっています。この度、両社間で200m級のタワーの構造とその架設機械の共同開発を行うことで合意しました。

200mになると既存のクレーンでは重量物であるナセル(風力発電の頭部に位置する、増速機や発電機、ブレーキ装置などを格納した容器)や長尺であるブレード(風力発電の羽)の架設が困難なので、三井住友建設の特許であるセルフクライミング工法に対応した架設機械を共同開発していきます。また、非常に高いタワーは従来の鋼製では剛性が不足するため、コンクリート、あるいは鋼とコンクリートのハイブリッド構造とする必要があります。三井住友建設はこのような200m級のタワーに適した構造、Mammoet社はその架設機械の開発に共同で着手します。

 

■ 共同開発する工法の特徴

この工法は、タワーの部材を架設機械で吊り上げながら、まだ通常のクレーンで架設できる初期の段階で重量物であるナセルを頂部に抱え、そのまま建設していくという特徴を持ちます。ブレードも同様に、その長さまでタワーを建設した段階で、ナセルに取り付けます。

発電機の大型化に伴うタワーの高さの追求は発電効率を上げるために必須の技術と考えますが、クレーンで一括架設が可能な場合でも、タワーの施工時間は要するものの、大きなコストを占める大型クレーンを使用しないことで施工費を下げ、競争力を持つことができると考えています。

 

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【架設作業ステップ】

 

■ 今後の展開

この工法は日本を含む世界中の陸上、洋上風力発電市場のニーズに応えるものと捉えており、さらには既存の陸上風力発電のリニューアルにも適用されるものと考えています。

将来的には欧州の基準に詳しい設計コンサルタントとも協働していく予定です。そして、この工法による風力発電事業参入も視野に入れながら、世界的な脱炭素の動きに貢献していきたいと考えています。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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