受発注者の業務効率化を実現する遠隔検査システム「遠検™」を開発・適用

― 建設現場の遠隔立会検査により新型コロナ対策にも効果 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、建設現場での発注者立会検査において、タブレット端末を用いて遠隔地間(事務所、現場など)をオンライン接続し、映像・音声・調書の表示・記入等をリアルタイムに共有して実施する遠隔検査システム「遠検™」を開発しました。

関越自動車道 松川橋床版取替工事(新潟県)で初適用し、移動時間の短縮など受発注者双方の業務の効率化を実現するとともに、3密(密閉・密集・密接)を回避して新型コロナウイルス感染防止を図りました。

 

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【「遠検™」による立会検査(試行試験)の様子(右がタブレット画面)】

 

■ 遠隔検査システム「遠検™」の特長

[1] タブレット(iPad(※))による検査

受発注者双方が検査時間にアプリケーションを起動(ログイン)するだけで、遠隔地間で検査を開始することができます。

(※) iPadは、米国Apple, Inc.の登録商標です。

[2] 映像・音声・調書のリアルタイム共有

タブレット内蔵カメラを使用して現場の映像確認と音声通話を行います。また、予めクラウド上に保存した各種調書をダウンロード(画面表示)してリアルタイム共有します。

[3] 検査記録は全てデジタル化

調書への数値やメモや発注者の確認サインは、タッチペンで直接画面に書き込んでクラウド上に保存してデジタルデータ管理します。また、検査の様子を録画して記録保存することもできます。

 

■ 開発の経緯

現在、複合的な大規模工事では施工箇所がそれぞれ離れている現場が多く、立会検査の都度、移動時間や待ち時間などが発生しています。国土交通省も受発注者の作業効率化を図り、契約の適正な履行として施工履歴を管理するために『建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)』を発表しており、加えて新型コロナウイルスの感染防止対策として、人と人とが接触しない検査方法の導入が必要とされています。

そこで当社は、検査時の移動時間や待ち時間などの削減と、接触防止を目的とした立会検査の方法に着目し、遠隔地からでも検査に参加することのできる遠隔検査システム開発に着手しました。

 

■ 本システム初適用の工事概要

工事名: 関越自動車道 松川橋床版取替工事
発注者: 東日本高速道路株式会社 新潟支社
施工者: 三井住友建設・IHIインフラ建設 特定建設工事共同企業体
工事場所: 自)群馬県利根郡みなかみ町小仁田 至)新潟県南魚沼郡湯沢町大字神立
工期: 2017年8月8日~2021年9月15日
工事概要: 詳細設計、床版取替工、主桁連結工、支承取替工、伸縮装置取替工、検査路工、コンクリート片はく落防止工、橋面舗装、橋面防水、橋脚補強工、対面交通規制

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■ 今後の展開

今後はメモ機能のさらなる充実など本システムの開発を進め、業務の省力化や現場施工のICT化を積極的に推進することで更なる生産性の向上に取り組んでまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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