損傷制御型トラス梁構法「雷靭(RAIJIN)™」の実物件適用に向けた設計法を確立

― 構造性能評価の取得でレジリエントな大空間構造の構築を実現 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、国立大学法人東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 吉敷 祥一 准教授と共同開発した損傷制御型トラス梁構法(※1)「雷靭(RAIJIN)™」(※2) の設計法を確立し、このたび構造性能評価(※3) を取得しました。

これにより、実物件への適用に向けた経済的な設計が可能となり、地震時の被害低減と早期復旧を実現するレジリエントな大空間構造の構築を実現します。

(※1) レジリエントな大空間構造を実現する「損傷制御型トラス梁」の開発に着手(2019年2月26日リリース)

(※2) 特許・商標出願済み

(※3) 日本ERI株式会社による評定(ERI-K20010号)

 

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【設計法を確立した「雷靭(RAIJIN)™」建物のイメージ

 

■「雷靭(RAIJIN)™」の特長

本構法の採用により設計時の地震力を低減できるため、鋼材の断面積を小さくすることができるなど経済的な設計が可能となりました。特にこれまで困難であったトラス梁とH形鋼梁による構造フレームを組み合わせた建築物、および構造フレームを多層とした建築物の経済設計を高めることができます。この構造形式を有するモデル物件の試算によると、要求される耐震性能を満足しつつ、10%程度の鋼材量の低減効果が期待できます。また、第三者評価機関による技術性能評価を取得済みの座屈拘束部材を使用するため、安心・安全を保障した耐震性能を確保でき、大地震後も簡易な点検のみで工場や事業所等の生産活動を早期に再開できます。

 

■「雷靭(RAIJIN)™」の概要

本構法は、梁両端部付近の下弦材部分に座屈拘束部材を組み込んだ構造で、地震によって生じる力と変形はこの座屈拘束部材が吸収するため、斜材や上弦材、下弦材の座屈を防ぐことができます。変形能力に優れた梁部材として扱うことができ、このたびの構造性能評価の取得により、一般確認申請での設計が可能となりました。

 

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【「雷靭(RAIJIN)™」の構造イメージ】

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【従来のトラスと「雷靭(RAIJIN)™」の耐震性比較イメージ】

 

■ 今後の展開

当社では、持続可能な社会の実現に向けたサスティナブルな技術開発など、SDGsに対応するための取り組みを推進しています。今後は、生産施設をはじめ、体育館、展示場、イベント施設などに「雷靭(RAIJIN)™」を積極的に提案し、耐震性やBCPの面でお客様のニーズにより柔軟に対応できる大空間構造の実現に取り組んでまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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