"どこでもみんなでトーク"ができる音声通話自動翻訳機「どこみなフォン」を開発
― 「言葉の壁」を無くし、多様な人材が活躍できる建設現場のダイバーシティ実現を目指して ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:新野 隆、以下「NEC」)との協業により、異なる言語の参加者がいるグループが多数混在するようなコミュニティ(例えば建設現場の作業所のような環境)において、"どこでもみんなでトーク"が可能になるコミュニケーションツール、一斉同報機能付き音声通話自動翻訳機「どこみなフォン/DokoMinaPhone」を開発しました。
本機(システム)は、スマートフォンにインストールされた専用アプリを使用することで、目的別に設定されたグループに簡単に参加することができ、異なる言語の複数の参加者に対して、自動翻訳された音声通話によるコミュニケーションを可能にするものです。急速に進むグローバル化の中で、世界の建設現場において「言葉の壁」を無くし、多様な国・言語の人材が活躍でき、安心・安全に働くことができるダイバーシティの実現を目指します。
【「どこみなフォン」を使用した会話の様子】
スマートフォン画面を操作することで標準的なBluetooth型ヘッドセットや手持ちのイヤホンマイク等により通話ができるほか、建設現場の作業環境を想定して、PTT(プッシュ・トゥー・トーク)ボタン機能付きヘッドセットに対応することによりスマートフォンを手に持つことなく通話することを可能にしています。
■「どこみなフォン/DokoMinaPhone」の特長
1. 人間の話し言葉に近い、より自然な翻訳を実現
国内にて研究開発を行っている国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のニューラル翻訳エンジンを搭載し、日本語から外国語、もしくは外国語から日本語へ、より自然な翻訳を実現します。
2. 目的にあわせたグルーピングの動的設定
専用のスマートフォンアプリを起動してQRコード(※) を読み取り、認証することで、あらかじめ設定されたグループに簡単に参加し、音声通話の自動翻訳によるコミュニケーションが開始できます。
(※) QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
3. チャット形式による時系列翻訳変換の表示
発話された内容は、録音され聞き直しが可能となっており、原文/翻訳文/逆翻訳文をグループチャット形式で画面に表示します。
【アプリ利用時の画面(イメージ)】
左上のチャットのように、日本語発話者の発言が、「原文」「翻訳文」「逆翻訳文」の順に表示され、その右下に返答した英語発話者の発言が同様の順序で表示されます。「逆翻訳文」が表示されることで、正しく翻訳されているかどうかを確認することができます。
■ 開発の経緯
建設業は、海外に進出した先のローカルスタッフや国内における外国人就労者が急速に増加する傾向にあります。こうした背景の中、建設プロジェクトのグローバル化に対応するため、言葉の障壁を解消し、円滑なコミュニケーション実現することが求められています。当社においても、「グローバル化宣言」の一環としてこれまで英語研修の実施等に取り組んできましたが、今後はアジア圏を含む異なる言語を同時に利用する多様なコミュニケーションシーンも想定され、それらの言語に対応した多言語音声通話自動翻訳機の開発に着手し、この度その第一弾として日本語と英語間の音声翻訳と一斉同報に対応した本機を完成させました。
■ 今後の展開
国内外の自社プロジェクトに参画する関係者向けにスマートフォン向けアプリを配布することで、様々なシーンでの利用の促進を図ります。また、今後は建設現場への導入に求められる機能として、言語数の拡充のほか、作業時の安全性に配慮したハンズフリーな操作機能の追加や建設作業特有の専門用語や言い回しへの対応、さらには翻訳音声の特徴により耳で発話者の識別が可能になる機能等の開発に取り組むことにより、世界各地で活躍する建設作業員に欠かせないコミュニケーションツールとして"マストアイテム"となることを目指します。
<お問い合わせ先>
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