PCa部材接合部の鉄筋継手システムで国際規格評価認定を取得
― SQRIM工法の海外での適用が容易に ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、DEXTRA社(タイ王国:バンコク都 Chairman CEO Jean Marie Pithon)と共同で、SQRIM工法(※1)のプレキャスト(PCa)部材接合部に用いる鉄筋継手システム(モルタル充填式機械式継手)で国際規格(※2)(ICC-ES AC133 Type 2)の評価認定を取得しました。
これによって、海外の耐震設計を必要とする地域におけるSQRIM工法の適用時に、設計者による機械式継手(※3)の性能保証が不要となり、同工法の海外での適用が容易になりました。
(※1) 梁と柱梁接合部を一体にして、接続部に現場打ちコンクリートを設けないオールPCa工法(当社特許技術)
(※2) アメリカ合衆国の評価機関 "IAPMO UES (USA)": ICC-ESが定めたAC133の認定規準に準拠
(※3) 鉄筋同士を圧接や溶接以外の方法で機械的に接合する継手工法
【評価認定書(抜粋(※4))】 |
【鉄筋継手システム】 |
(※4) 評価認定書(全文)
■ システムの概要
本システムでは、世界的な供給網を持つグローバル企業の材料を使用し、海外の耐震設計を必要とする地域でのSQRIM工法の適用が可能です。
使用する材料は次のとおりです。
- 機械式継手「グラウテック」
世界中で機械式継手を製造販売するDEXTRA社製(本社:タイ) - モルタル充填剤「マスターフロー870スクライムグラウト」
無収縮高強度グラウト材を製造販売する世界最大の建設用化学品会社のMaster Builders Solutions Malaysia社製(本社:ドイツ)
【「グラウテック」(左)と「マスターフロー870スクライムグラウト」(右)】
■ 評価認定の取得経緯
当社は、超高層住宅建設などSQRIM工法による短工期・高品質な構造躯体の施工実績を国内で積上げてきました。
これらの技術と実績を活かして海外市場での展開を始めましたが、国内でのPCa部材接合部(機械式継手)は日本建築センターなどによる性能評価に対して、海外では都度設計者が性能を保証する必要があるため、本工法適用の大きな課題となっていました。
そこで、当社で本システムに最適なモルタル充填材を選定し、DEXTRA社と共同で鉄筋継手システムの米国規格の評価認定を取得し、国際的な展開を図ることとなりました。
【海外でSQRIM工法を初適用したプラント施設(マレーシア、2017年)】
■ 今後の展開
当社は、今後もグローバル企業と連携し、安全で高品質なSQRIM工法の海外展開を積極的に取り組んでまいります。
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