共同住宅用スプリンクラー配管における「パラソループ工法™」の開発・適用

― 配管敷設作業の省力化で生産性が20%向上 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、ヤマトプロテック株式会社(東京都港区白金台五丁目17番2号 社長 佃 正博)および三井化学産資株式会社(東京都文京区湯島三丁目39番10号 社長 橘 明宏)と共同で、共同住宅におけるスプリンクラー配管の「パラソループ工法™」(※) を開発し、都内で施工中の(仮称)南大塚Ⅳ計画建設工事(事業主:株式会社サンケイビル)の一部住戸に適用しました。

本工法は、天井スラブ面に敷設するスプリンクラーの主配管をループ状にするもので、在来工法(ヘッダー工法)と比べて配管長を約40%削減し、敷設作業の省力化により生産性が約20%向上しました。

(※) 特許出願中

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【パラソループ工法(左)とヘッダー工法(右)の比較】

■ 開発背景と特徴

共同住宅のスプリンクラー配管敷設で採用されるヘッダー工法では、スプリンクラーヘッド数に応じた多口継手(ヘッダー)を天井点検口が設けられたユニットバス内の天井スラブ面に配置し、各スプリンクラーヘッドまで配管を個別に敷設していました。さらに、多数の配管が水回りの遮音壁を貫通する必要がありました。

本工法は、スプリンクラーの主配管をループ状にするもので、特徴は次のとおりです。

[1] 配管敷設作業の省力化

ループ状の主配管により配管長が約40%削減でき、天井スラブ面に敷設する作業員の負担が軽減されます。敷設作業の省力化は、今後懸念される担い手不足や作業員の高齢化対策にも有効です。

[2] 遮音壁貫通部処理の省力化

ヘッダー工法では水回りの遮音壁を貫通させる配管が多いため貫通部の遮音処理に多くの時間を要しておりましたが、本工法ではループ状にした主配管の2箇所だけのため、貫通部処理の省力化が可能となります。

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(赤:スプリンクラー配管、緑:遮音壁、青:貫通部)
【スプリンクラー配管敷設図の比較(左:パラソループ工法、右:ヘッダー工法)イメージ】

 

■ 今後の展開

当社では、「中期経営計画2019-2021」において「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに掲げ、生産性の向上に取り組んでいます。

今後は、各種配管パーツの開発を含めた本工法の更なる施工性の改善を図り、実物件への適用を積極的に進めてまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

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