重量床衝撃音を低減させる工法「SSTボイドスラブ®」を適用
― 同調質量ダンパーによりスラブ厚を変えずに7dB低減を実現 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、金沢工業大学と三昌フォームテック株式会社で共同開発した重量床衝撃音低減工法「SSTボイドスラブ®」(※1) を、施工中の共同住宅の共用部の一部に初めて適用しました。
本工法は、スラブのボイド材の内部に同調質量ダンパー(TMD)(※2) を配置し重量床衝撃音を低減させるもので、一般的なハーフPCa板に用いられるボイドスラブに対して、スラブ厚を厚くすることなく室内の静ひつ性を高めることができます。適用時に実施した音響測定において、同じ厚みのボイドスラブと比べて7dBの低減効果を確認しました。
(※1) SST = Silent Slab using TMDの略 (※2) TMD = 同調質量ダンパー(Tuned Mass Damper)の略称。 |
【「SSTボイドスラブ®」のイメージ】 |
【適用したハーフPCa板】 |
■「SSTボイドスラブ®」の概要と特徴
共同住宅やホテルなど室内の静ひつ性が求められる場所では、人の歩行や飛び跳ねなどによる重量床衝撃音を低減させる必要があります。本工法は、ボイド材の内部に配置したTMDが床の振動に共振し、振動を抑制することで重量床衝撃音を低減します。
TMDを構成するおもりとバネはPCa工場で事前に設置することから、従来のボイドスラブと同様の現場における施工性を実現します。
また、本工法は、スラブ厚を変えずに遮音効果を高めるだけでなく、同じ遮音効果でスラブ厚を減らして、より高い天井の居住空間実現も可能です。
【音響測定の様子】 |
【音響性能の比較】 |
■ 今後の展開
今回の適用で得られた知見を活かし、このような提案を通じて、より一層のマンション価値向上に寄与すべく、安全・安心・高品質で快適な住まいの創造を目指してまいります。
<お問い合わせ先>
リリースに記載している情報は発表時のものです。