SMC-Tunnelingシリーズ「クイックreインバート」を初適用
― トンネルインバート補強工事の施工期間短縮と交通災害リスク低減を実現 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、SMC-Tunnelingシリーズ「クイックreインバート」(※1) を、上信越自動車道 閼伽流山トンネル(上り線)補強工事で初適用しました。
本工法の適用により、インバート施工に先行して設置する走行・追越車線間の土留め杭が不要となり、車線規制を伴うインバート補強工事の施工期間の短縮と交通災害リスク低減を実現しました。
(※1) SMC-Tunneling シリーズ「クイックreインバート」を開発(2019年3月29日リリース)
【初適用した「クイックreインバート」】
■ 本工法の概要
本工法は、国立研究開発法人土木研究所と共同で開発したものです。供用中のトンネルにおけるインバートの更新または追加施工において、従来の土留め工に用いられる親杭横矢板工法に替えて、オープンピット工法(※2) による連続したU型土留めを設置する工法です。これにより、従来の土留め作業に要する時間の短縮と交通災害リスクの低減が可能となります。主な特徴は以下のとおりです。
(※2) メッセルシールド機を使い、掘削・基礎・ボックスカルバート等の据付・埋め戻しを行う管渠埋設工法
- 無振動、無騒音の小規模メッセルシールド機を使用し、狭隘な作業箇所や車線規制などの制約条件下での施工が可能です。
- 従来工法で必要とされる親杭横矢板の施工が不要であり、最も交通災害のリスクが懸念される供用車線に近接した土留め杭打ち作業を省略できます。
【従来工法(左)と「クイックreインバート」(右)との比較】
【「クイックreインバート」のイメージ図】
■ 現場適用の効果
閼伽流山トンネル(上り線)内では、既設舗装が路面隆起(盤膨れ)しており、インバートの追加施工の必要がありました。本工法の適用(2区間で357m)効果として、交通規制の期間の大幅な短縮と交通災害リスクを低減でき、適用区間のうち168mの区間では土留めとインバート施工に要する工期が従来工法に比べて約35%短縮しました。
【メッセルシールド機】 |
【U型土留め設置】 |
■ 今後の展開
本工法の現場適用に際しては、東日本高速道路株式会社をはじめ国立研究開発法人土木研究所、株式会社高速道路総合研究所等の関係者を対象に現場公開を実施し、30人を超える方々に本工法の特徴を理解いただき、今後の改善点について指導いただきました。
今後は、本工法の更なる現場適用を図るとともに、今回の適用で得られた知見を活かし、技術の改良を重ね、安全性と生産性の向上に寄与する技術として普及を図ってまいります。
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
経営企画本部 広報室
〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
TEL: 03-4582-3015 FAX: 03-4582-3204
【参考】
■ SMC-Tunnelingシリーズ「クイックreインバート」を初適用した工事の概要
工事名 | 上信越自動車道 閼伽流山トンネル(上り線)補強工事 |
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発注者 | 東日本高速道路株式会社 関東支社 |
施工者 | 三井住友・佐田特定建設工事共同企業体 |
工事場所 | 群馬県安中市松井町西野牧~長野県佐久市岩村田 |
工事概要 |
トンネル施設移設工 1,720m(閼伽流山トンネル 上り線 全線)
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【閼伽流山トンネル平面図】