省人化を実現する「ワンマンレベル測量システム」を開発・適用
― デジタルレベルを遠隔操作、1人で高精度なレベル測量が可能に ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)と千代田測器株式会社(東京都台東区東上野一丁目1番11号 代表取締役 平野 啓太郎)は、スマートデバイスを用いた「ワンマンレベル測量システム」を共同開発し、橋梁上部工の現場で初適用しました。
本システムを使用することにより、デジタルレベルを遠隔操作して高精度なレベル測量が可能となりました。また、従来の測量作業と比較して作業員が2人から1人となり、省人化を実現しました。
【「ワンマンレベル測量システム」を用いた測量作業】
■「ワンマンレベル測量システム」の特徴
[1] スマートデバイスを用いたデジタルレベルの遠隔操作が可能
カメラおよび回転台を取り付けたオートフォーカス付デジタルレベルと専用のスタッフ(標尺)を使用し、スマートデバイスからの遠隔操作により、回転・視準・測量・計算を行うことができます。また、測量点座標を事前に入力し自動回転・自動視準を行うことで、スタッフを測量点に設置する作業員1人によって、全ての測量作業が可能になりました。
[2] レベル測量の省人化とヒューマンエラー防止を実現
従来の測量作業と比較して、作業員が2人から1人となり省人化を実現しました。さらに、計測した値はシステムにより自動的に計算され、クラウドに保存されるため、従来の測量作業における施工管理の延べ拘束時間を1/2に短縮できることに加え、計算ミスなどのヒューマンエラーの防止にも貢献できます。
【従来作業における施工管理の延べ拘束時間との比較】
[3] 高精度な測量が可能
本システムは、1km往復標準偏差0.2mmの1級デジタルレベルを使用して測量するため、高精度な測量が可能です。
■ 開発の背景
張出架設工法を用いた橋梁上部工の現場では、施工に合わせて橋面高さが変化するため、高さ管理が重要であり、日常的にレベル測量を行っています。この作業は2人1組で行い、日射の影響を避けるために原則早朝に実施する必要があり、作業員の大きな負担となっていました。また、レベル測量は橋梁だけでなく、多くの構造物施工において頻度の高い作業であることから、生産性向上(省人化)が求められていました。そこで、1人で測量が可能なシステムの開発に着手しました。
【従来の測量作業】
■ 今後の展開
本システムのさらなる開発を進めるとともに、販売を予定しています。今後も土木・建築分野におけるさまざまな測量や出来形検測への積極的な導入を推進し、建設業のデジタルトランスフォーメーションを促進することで、生産性と安全性の向上に取り組んでいきます。
さらに、国土交通省が提唱する新たな建設現場の生産性向上(省人化)の取り組み「i-Construction 2.0」の実現に貢献してまいります。
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
経営企画本部 広報室
〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
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