サスティナブルな地盤改良材「サスティンGeo®」を掘削土の処理に初適用

― CO2排出量を50%削減 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、産業副産物を活用した地盤改良材「サスティンGeo®」を、建築物の場所打ち杭の施工で発生する掘削土の改良に初適用しました。その結果、水分を多く含み泥濘化しやすい掘削土の性状を改善するとともに、セメントと石灰を混合した固化材に比べて50%のCO2排出量削減を達成し、Scope3カテゴリ5の削減に寄与しました。

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【「サスティンGeo」による掘削土の改良】

■「サスティンGeo」とは

地盤改良に一般的に使用されるセメント系固化材は、CO2排出量が多く、また土の種類によって六価クロムを溶出することがあります。「サスティンGeo」は、セメントを使用せずに産業副産物を活用することで、これらの問題点を解決する環境負荷を低減したサスティナブルな地盤改良材です。

「サスティンGeo」には、目的に応じて材料を最適に配合した100型と200型があり、今回は土の含水状態の改善に有効な200型を使用しました。

サスティンGeo 100型(※1)サスティンGeo 200型
用途 地盤改良(浅層~深層改良) 土の含水状態の改善、
地盤改良(浅層改良)
使用形式 粉体・スラリー 粉粒体
性能(※2)改良土の強度 一般的な土質に対しては同等以上 一般的な土質に対しては同等以上
CO2排出量 40~60%削減 50%削減
六価クロムの溶出量 大幅に低減 大幅に低減

(※1) サスティナブルな地盤改良材「サスティンGeo™」を開発(2023年11月23日リリース)

(※2) 100型はセメント系固化材、200型はセメントと石灰を混合した固化材との比較

【サスティンGeoの種別】

■ 適用概要

場所打ち杭工法では、地盤に孔を開ける際に掘削土が排出されます。地下水位が高い場合、この掘削土には多くの水が含まれるため、そのままダンプトラックに積載・運搬すると泥水が漏れて公道を汚すことがあります。そのため、セメントと石灰を混合した固化材(以下、従来材料)などを用いて掘削土を改良することが多く行われています。

今回、場所打ち杭工事における掘削土の改良に「サスティンGeo」を初適用し、以下の効果を確認しました。

[1] CO2排出量を削減

「サスティンGeo」は従来材料と比較して50%のCO2排出量の削減を実現しました。

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【CO2排出量 : 従来材料との比較】

[2] 掘削土の泥濘化を改善

運搬中にダンプトラックの振動による土の泥濘化を防止して泥水の流出を防ぐ条件として、フロー値130mm以下(落下回数50)(※3) を目標値としました。対象地盤は粘性土や砂質土の層で構成されていますが、事前の室内試験において「サスティンGeo」を30kg/m3添加することで、いずれも目標値を満たし、従来材料と同等の効果が得られることを確認しました。

(※3) JIS R 5201(セメントの物理試験方法を規定、土砂や粉体材料にも応用可能)のフロー試験を参考に、落下回数や目標値を設定

■ 今後の展開

「サスティンGeo」は、配合により様々な地盤改良に対応可能です。今回は、浅層改良を対象とする粉体混合方式(開発時の実証試験)に続き、場所打ち杭工事で生じる掘削土の改良に適用しました。今後は中層改良や深層改良への適用に向けた検討を進め、更なる適用範囲の拡大を図ります。

当社では引き続き環境に配慮した技術開発を進め、脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。

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