ものづくりの源泉/当社の強みを支える保有技術


当社は、人々のくらしを支える橋、トンネルなどの土木構造物、そして、豊かなくらしを支えるビルやマンション、商業施設などの建築構造物を通して、まちづくりに参加しています。創業以来、今も引き継がれているのは、前例のないものづくりに果敢に挑戦する心です。これからも「日本初」「世界初」の技術に挑戦し、「新しい価値」の提供に取り組んでいきます。

土木 | 大規模更新(床版取替) |
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建設現場の生産性向上 |
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長寿命・高耐久化 |
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建築 |
脱炭素社会実現 |
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地震防災技術 |
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エンジニアリング |
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土木・建築 共通 |
脱炭素社会実現 |
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建設現場の生産性向上 |
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新規周辺技術 | 再エネ利用 |
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お客さまの期待に応え、社会課題の解決を図る直近の技術開発

■ クイックreインバート工法
本工法は、国立研究開発法人土木研究所と共同開発したもので、供用中のトンネルにおけるインバートの更新または追加施工において、従来の土留め工に用いられる親杭横矢板工法に替えて、オープンピット工法による連続したU型土留めを設置する工法です。これにより、土留め作業に要する時間の短縮(従来比約35%削減)と交通災害のリスク低減が可能となります。

■ 主桁ウェブ構造の合理化〔バタフライウェブ橋〕
高い桁高に対応し、桁高を変化させることで長支間長が可能となる「大型バタフライウェブ」を開発しました。これは、工場で3分割にて製作されたバタフライウェブを別々に運搬し、現地で一体化・架設する「分割型バタフライウェブ」を採用することにより実現されたものです。
分割型バタフライウェブの採用により、従来の一体型バタフライウェブと比較し、ウェブ高・重量など運搬上の制限が緩和され、適用可能となる支間長が拡大します。今後、軽量で耐久性に優れるバタフライウェブ橋のさらなる普及が期待できます。

■ サスティンクリート®
CO₂ 排出量を削減する建設材料として、環境配慮型コンクリート「サスティンクリート®」を開発し、土木・建築工事への適用を進めています。ゼロセメントタイプのサスティンクリートを使用した人工石材「さすたまぶる®」は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の住友館の屋外通路の床材に適用されました。ゼロセメント型プレキャストプレストレストコンクリート床版は、環境認証ラベル(EPD)を取得しました。

■ RFタグ埋込型コンクリートスペーサー
コンクリートに埋め込んだRFタグを活用して、PCa工場での製造進捗管理およびストック管理を実施するシステムです。RFタグは1m以上離れても読み取り可能で、ストック時や出荷時に読み取りが容易となり、進捗登録等とともに位置情報を取得することで、部材位置のMAP表示やMAPからのストック位置の検索ができます。これら製造管理の見える化によりPCa生産管理のDX化に寄与します。
技術戦略
市場環境と技術活用による課題解決
当社は土木の橋梁分野では新たな構造形式などによる工期短縮・省力化施工等の技術開発を推進し高品質な橋梁を提供してきました。また建築分野の超高層住宅では豊富な実績を築いているとともに、幅広いプレキャスト技術を保有しています。人手不足や労務費が高騰している建設業界においてさらなる生産性向上を目指し、当社の強みを拡大するために技術の開発・活用に取り組んでいきます。

▶ 市場環境とリスク・機会
近年、気象災害の激甚化・頻発化や大規模地震の発生、またインフラの老朽化が深刻な課題となっています。建設業界をとりまく環境もふまえ、生産性向上を視野に、急速施工、更新事業における供用路線規制期間の短縮などの技術的取り組みを推進し、災害復旧・復興への迅速な対応や、持続可能で強靭な社会インフラの構築と地域の安全・安心の確保に向け貢献してまいります。
▶ 当社の技術面での対応

高速道路のリニューアル工事では供用車線の確保、規制期間の短縮が求められます。橋梁工事では、上下線の間にある中央分離帯の空間を活用し、プレキャスト床版を分割することで、上下4車線を確保しながら床版取替工事を行っています。トンネル工事では、1車線分の供用車線を確保しながらインバートを急速施工する「クイックreインバート」を展開しています。

令和6年能登半島地震で被災した能登大橋および中能登農道橋(ツインブリッジのと)について、当社でこれまでに培った橋梁の補修・補強技術を活用して、橋脚のコンクリート巻立て、橋桁のジャッキアップ、支承等の橋梁付属物の補修、橋台背面の盛土擁壁などの応急復旧工事を実施しました。また、能登大橋の本復旧工事である「R6能越道穴水越の原橋梁復旧その1 工事」を受注しており、当社独自の橋脚急速施工工法も取り入れて、一刻も早い復興を目指します。
▶ 市場環境とリスク・機会
国内建築市場は、豊富な建設需要に対して、施工供給力が追い付かない状況が継続しています。当社が得意とする超高層住宅分野においても、都心部、さらには地方中核市においても再開発プロジェクトが多く控え、需要が継続しています。一方で、人口減少時代を迎え、建設会社における人材獲得難、建設業従事者の高齢化と入職者の減少が顕著であり、施工の効率化による生産性向上は喫緊の課題です。
また、サステナビリティに対する社会的要請は高まり続け、建設工事発注者においても、脱炭素を含むサステナビリティに対する意識が高まっており、建築物のZEB/ZEH化をはじめとした環境負荷低減のニーズが高まっています。
▶ 当社の技術面での対応

超高層建物の施工階において、衛星インターネット通信を活用し、通信環境を容易に構築する手法を開発・適用しました。これにより高層施工階においても情報の共有・進捗管理が効率化され、約30%の省人化が実現しました。
プレキャスト施工の一元管理システムである「プレキャスト進捗管理統合システム PAE」に組み込んで適用し、施工管理の効率化を実現してまいります。

ZEB取得ニーズの高まりを受け、省エネレベル(BEI)を短期間で判定可能な簡易評価システム「ZEViewer™」を開発し運用しています。省エネレベルの判定に必要な時間を従来の1/6に短縮し、計画・設計段階の迅速な提案でお客さまのニーズとサステナビリティに対する社会の要請に応えてまいります。