SMC-Tunneling シリーズ「クイックreインバート」を開発
―トンネルインバート更新における土留め作業時間を半減―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、国立研究開発法人土木研究所(茨城県つくば市南原1番地6 理事長 西川 和廣)と共同でSMC-Tunnelingシリーズ「クイックreインバート」を開発しました。
本工法は、供用中のトンネルにおけるインバート更新工事において、従来の土留め工に用いられる親杭横矢板工法に替えて、オープンピット工法(※1)による連続したU型土留めを設置する工法です。これにより、従来の土留め作業に要する時間を半減させることができます。
この度、廃坑した山形県のトンネルにおいて試験施工を行い、実用化に目処をつけました。
(※1) メッセルシールド機(※2)を使い、掘削・基礎・ボックスカルバート等の据付・埋め戻しを行う管渠埋設工法
(※2) マシン一体で推進するのではなく、メッセル(刃)を1枚ずつ推進させて自走するシールド機
【「クイックreインバート」のイメージ図】
【従来工法(親杭横矢板土留め/左)と急速更新工法(U型土留め/右)との比較】
■ 開発の経緯
老朽化したトンネルでは、材質劣化、漏水や土圧などによるトンネルの覆工に生じたひび割れや路面隆起などの変状に対し、補強・更新工事が行われます。しかしながら、これらの工事では一般車両の通行を確保するために車線規制下での施工となり、作業効率や経済性が低下するなどの課題があります。
これらの課題を改善するために、当社は国立研究開発法人土木研究所と共同で、トンネルインバート更新工事の急速施工に関する新工法の開発を進めています。
■ 本工法の特徴
本工法は、無振動・無騒音かつ小規模なメッセルシールド機の使用により、狭隘な作業箇所や車線規制等の制約条件下での施工が可能です。
また、従来工法で実施する親杭横矢板の施工を必要としないことから、土留め工程で約50%短縮、施工費で約20%削減できます。更に、既設の中央排水管の移設作業をU型土留め内にインバート施工に先行して容易に行えるなど、既設構造物撤去からインバート構築までの全体工程で約20%短縮、施工費を約10%削減することが可能です(施工延長100m当たりの試算)。
■ 本工法の詳細
本工法の作業手順は次のとおりです。
[1] 土留め施工
メッセルシールド機の前方に配置するバックホウで地山を掘削し、掘削後にメッセルシールド機を前進させ、その後方からU型土留めを順次設置します。
[2] インバート施工
設置したU型土留め内に、インバート①の施工と既設の中央排水管を移設して埋め戻します。埋め戻しが終わった箇所からインバート②の施工、養生、埋戻し、舗装を順次行い、片側車線完了後に反対側車線のインバート③を同様に施工します。
![]() (メッセルシールド機) |
![]() (U型土留め設置) |
![]() (インバート構築) |
■ 今後の展開
当社では、土木研究所の協力のもと、本工法により施工したインバートの力学的機能の検証を進め、新工法のSMC-Tunnelingシリーズ「クイックreインバート」の積極的な現場運用を図り、実績を積み重ねて当社独自の技術としての確立を目指してまいります。
<お問い合わせ先>
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