作業員位置情報をリアルタイムで識別し、PCa工場の製造プロセスを最適化
―IoTを活用した製造管理システム「PATRAC-PM」を導入―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、超高層マンション等に用いるプレキャスト(PCa)部材の製造工場(※1)において、IoTによる製造ラインの稼働状況および生産実績の可視化で、製造プロセスを最適化する製造管理システム「PATRAC-PM(パトラック-ピーエム/Precast Automatic TRACing system-Production Management)」を開発し、導入しました。
当社では、PCa工場における更なる高品質化と生産性向上を実現する次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発を進めており、PATRAC-PMは出荷工程管理システム「PATRAC-DL(DeLivery)」(※2)に続くものです。
(※1) SMCプレコンクリート株式会社(当社グループ会社)茨城工場
(※2) 2018年12月18日リリース
【PCa 工場の製造ライン全景】
■ 製造管理システム「PATRAC-PM」の特徴
[1] 生産データの可視化
Quuppa Intelligent Locating System(※3)を利用して、工場建屋天井にLocator、測位対象(人、クレーン等)にBLE(Bluetooth Low Energy)タグを取付け、各作業工程における部材毎の作業時間や作業員毎の移動履歴などを1秒間隔、誤差50cm程度で高精度に自動収集することができます。
(※3) Bluetoothをベースとした電波の到達角度による測位技術
[2] 生産結果の自動集計と蓄積
収集された生産データはPCa部材完成後、独自開発したBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)によって自動集計され、適宜画面表示されると共に生産実績として蓄積されていくことで、工場全体のマクロな生産状況から一作業のミクロな状況までを簡単に評価し、見直すことが可能です。
[3] 製造プロセスの見える化ツール
日々の生産実績の数値化・グラフ化により、作業の効率化、労務の平準化および生産性向上のための各種分析が容易に行えます。製造日時、製造ライン、製造ベッド、部材種別、個別の作業員などの影響因子ごとに、製造に要した時間等を絞り込み、生産改善が可能なポイントの抽出に活用できます。
【PATRAC(PATRAC-PM)のイメージ図】
■ 今後の展開
当社では、「中期経営計画2019-2021」において「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに掲げ、建設現場等における生産性の向上に取り組んでいます。今後は、当社グループ会社を含めて全国に5箇所あるPCa部材の製造工場を強みとし、高品質化と生産性向上のために次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発に注力し、ICT/IoTの積極的な活用によるPCa製造工場のオートメーション化やPCa部材の自動化施工を推進してまいります。
<お問い合わせ先>
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