SMC-Tunnelingシリーズ「きれい ni 発破」を現場にて初適用
―トンネル発破作業における適正火薬量をリアルタイムに自動算定―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、トンネル発破作業における適正火薬量をリアルタイムに自動算定し、余掘りの低減や過装薬の防止を実現するSMC-Tunnelingシリーズ「きれい ni 発破」を実用化し、宮城県で施工中の三陸沿岸道路気仙沼1号トンネル工事に適用しました。
【ドリルジャンボと適正火薬量がリアルタイム表示された搭載モニタ】
■ 本システムの概要と現場適用
本システムは、トンネル発破掘削作業において、ドリルジャンボの削孔検層データ(前方地山の岩盤状況)を活用し、さらに施工サイクルごとの余掘りデータ(3D レーザースキャナ計測による)をフィードバックして適正火薬量を自動算定し、リアルタイムでタブレット表示するシステムです。
[1] 削孔検層データによる岩盤状況の把握
計画発破パターンを装薬孔の削孔位置ごとに17ブロックに分割し、ドリルジャンボに搭載した切羽カメラ画像と合成します。また、削孔検層データは無線LAN を介して現場事務所のサーバーに即時転送され、ブロックごとの岩盤状況をリアルタイムに解析します。
[2] 余掘り量計測
車両搭載型の3Dレーザースキャナにより、発破直後の素掘り状態の切羽を約1分間で計測し、この三次元余掘りデータと使用した火薬量の相関データを算出します。
【3D レーザースキャナによる切羽計測】 |
【三次元余掘りデータ】 |
[3] 適正火薬量の算定
前方地山の岩盤状況データと上記の相関データから、適正火薬量を自動的に算定し、ブロックごとに色分けしてジャンボ搭載モニタやタブレットに表示します。
【適正火薬量タブレット表示】
■ 工事概要
工事名 : 国道45 号 気仙沼地区道路工事
発注者 : 国土交通省 東北地方整備局
工事場所 : 宮城県気仙沼市
工期 : 2018年3月14日~2020 年3月13日
工事概要 : 気仙沼1号トンネル
トンネル延長 : 361m、掘削断面積:101.4m2、掘削方式 : 発破掘削、地質:砂岩粘板互層・礫岩
■今後の展開
当社では、SMC-Tunneling シリーズ「きれい ni 発破」を積極的に現場活用していくとともに、実績を積み重ねることで精度の向上を図り、当社独自技術として確立を目指してまいります。
今後は、切羽へのマッピング技術の適用を検討し、本システムの改善を図ることで更なる生産性の向上を行っていく方針です。
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