アラミドFRPロッド鉛直締めによるRC橋脚の耐震補強工法を初適用
― 仮桟橋や河川締切が不要で交通規制も行わず全体工期を短縮 ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、自社開発したアラミドFRPロッドによる鉄筋コンクリート(RC)造橋脚の耐震補強工法を、愛知県名古屋市で施工中の開橋(ひらきはし)(※)の河川橋脚の耐震補強工事に初適用し、このたび、工事関係者向けに工事の状況を公開しました。
本工法は、橋脚天端からアラミドFRPロッドを挿入して補強を行うため、一般的に行われるRC巻立て工法などの補強工事に必要な仮桟橋や河川締切などの仮設工が不要です。また、通行車両に対する交通規制も不要のため、全体工期を短縮することができます。
(※)下部工竣工年:下流側1953(昭和28)年、上流側1959(昭和34)年
【橋脚の耐震補強工事が進む開橋】 |
【作業(左)と工法説明(右)の様子】 |
■ 工事概要
発注者:名古屋市 緑政土木局
工事場所:名古屋市港区大江町、昭和町 立会 大江川
【工事1】都計3・2・42大津町線開橋改築工事(下部工補強工)
工期:2018年8月27日~2019年4月26日
工事内容:下部工補強工 2橋脚(アラミドFRPロッド19本)
【工事2】都計3・2・42大津町線開橋改築工事(下部工補強工)(その2)
工期:2019年8月1日~2020年3月27日
工事内容:下部工補強工 5橋脚(アラミドFRPロッド61本)
■ 本工法の特徴
- 橋脚軸方向にプレストレスを与えることにより、効果的に曲げ耐力を向上させることができます。
- 作業は橋の上部工に干渉することなく橋脚上面から行えるため、仮桟橋や河川内締切などの大規模な仮設備や水中作業が不要です。
- 仮設備の縮小により、締切工が必要な従来工法に比べて仮設工費、工期とも大幅に削減ができます。
- アラミドFRPロッドは高強度で耐食性があり非電導なので、鉄道橋においても安全な施工が行えます。
- アラミドFRPロッドは柔軟で付着性も高いため施工性がよく、本工法の緊張材として適しています。
【施工手順】
■ 今後の展開
大規模地震に備えて社会インフラの耐震補強対策が急速に進められています。そのような中で、河川内橋脚などの施工に大規模な仮設備工が必要な構造物の補強対策の進捗状況は遅れているのが現状です。
当社では、古い年代に建設され比較的鉄筋量の少ない橋脚を中心に本工法の適用により、効果的な補強対策が可能になると考えています。今後は、こうした構造物を対象に積極的に本工法の適用を提案するとともに、さらなる普及・改善に努めてまいります。
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