床版取替工事の省力化・省人化を実現する新たな床版架設機の開発・適用
― 高圧線下など特殊な施工条件環境でも効率的な施工が可能に ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 新井 英雄)は、橋梁の大規模更新事業の床版取替工事において、省力化・省人化を実現し、通常のトラッククレーン施工ができない高圧線下など特殊な施工条件環境でも効率的な施工を可能にする床版架設機を新たに開発しました。
本機を、東名高速道路(特定更新)裾野IC~沼津IC間床版取替工事(静岡県)の一部において初適用しました。
【裾野IC~沼津IC間床版取替工事の様子】
■ 特徴と効果
本機は、脚自体が伸縮して床版を上下させる門型油圧リフターと、その上の横梁に固定された走行レールに沿って移動する搬送装置で構成されています。搬送装置には床版を平面的に回転させる機能があり、施工時における吊上げ・搬送・設置までの一連の作業を遠隔で操作します。トラッククレーン施工では吊上げと設置の際、床版を固定する補助作業員が必要ですが、本機ではその作業が不要のため安全性向上と省力化・省人化が図れます。
また、トラッククレーンと比べて総重量が軽いため、搬入、組立、解体において大型の重機が不要で省力化が図れ、施工時に既設の鋼桁に与える負担を小さくできるという特徴があります。
さらに、本機は門型油圧リフターを上下させることで床版を上下に揚重することから、一般的な橋形クレーン形式の床版架設機の設置時に必要なクレーン申請と完成検査が不要で、架設機の組立てから使用までの期間を短縮できます。作業休止時は門型油圧リフターを縮めて高さを低く抑えることで、高さ調整ができない橋形クレーン形式の床版架設機に比べて、隣接する供用線への影響も低減できます。
なお、本機は使用する門型油圧リフターの横幅や基数を変更することで、1サイクルで取替えできる床版枚数が現場条件に合わせて設定でき、1車線ごとに床版取替を行うときの半断面施工にも対応が可能です。
【本機のイメージ図】
■ 工事概要
工事名 : 東名高速道路(特定更新等)裾野IC~沼津IC間床版取替工事
発注者 : 中日本高速道路株式会社 東京支社
工事場所 : 静岡県裾野市御宿~静岡県沼津市足高
工期 : 2018年3月7日~2023年8月1日
工事概要 : 鋼橋の床版取替え(4橋)および各部修繕工事
■ 今後の展開
今回の施工実績をもとに改良を重ねて適用範囲拡大とトラッククレーン以上の施工スピードを確立すると共に積極的な現場展開を図ります。
当社では、床版リニューアル工事の省力化・省人化を目標に、施工の自動化を含め更なる生産性向上を図ってまいります。
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
広報室 平田 豊彦
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