AI(人工知能)を活用した安全注意喚起システムの開発と導入の開始

― 過去の災害データから事例抽出し、朝礼時の危険予知活動で注意喚起 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、自然言語AIエンジン(※1)を使用した安全注意喚起システムを開発しました。

本システムは、iPad(※2)の画面より基本項目を入力して、実施予定の作業や工事において当社で過去に発生した災害事例(※3)をクラウド上のデータベースから検索するもので、AI技術によって状況の類似性のスコアリングから起こりうる災害事例が複数抽出されるものです。

この度、当社作業所で朝礼時に行う危険予知(KY)活動において導入を開始しました。

(※1) 株式会社 FRONTEO社製 自然言語AIエンジン「KIBIT®」(https://www.fronteo.com/products/kibit/

(※2) iPadは、米国Apple,Inc.の登録商標。当社の全現場で導入済み。

(※3) 5,000件余り

 

20210531_01.png

【安全注意喚起AIシステムの災害事例検索の流れ】

 

20210531_02.png

【KY活動で本システムを使用している様子】

 

■ 本システムの特徴

[1] AI技術による災害事例抽出

一般的な検索システムと異なり、AI技術で言葉が一致しないと事例が抽出されないということがなく、状況の類似性をスコアリングし、起こりうる災害を複数抽出します。また、新たな事例データを追加する際のキーワード設定が不要で、災害報告書の文章をそのままデータとして使うことができます。

[2] 作業内容に即した災害事例抽出

iPadを用いることで、各作業を担当する少人数グループごとのKY活動で当日予定する作業に即した災害事例の確認ができます。また、作業内容などの変更の場合でも、その場で検索条件を変更するだけで作業に即した災害事例の確認が可能です。

[3] KY活動のマンネリ化を防止

条件の入力は簡易なメニュー選択のほか、自然言語による条件追加も可能で、幅広い「気づき」を促進することができます。また、日々同じ作業を継続するような場合でも、一度使用した事例は一定期間表示させない機能を持っており、毎日違う事例を表示することができます。

 

■ 今後の展開

順次効果や改善点のフィードバックを行いつつ、今年度中の全現場展開を図ります。また、災害発生の要因はそれぞれの技能者の置かれた条件・環境により異なることから、今後はよりタイムリーでパーソナルな条件に対応する注意喚起システムの開発を計画しています。

当社ではこれまで培ってきた安全文化に加え、さらなる安全に関する残存リスクの削減を目的としてICTを導入した災害防止システムの構築を推進しており、本システムはその中の一つとして位置付けています。今後も様々な切り口からICTを活用した災害防止のソリューション開発に取り組んでまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

一覧ページへ