床版取替工事における床版切断システム「水平カッター」を開発・導入

― 鋼・RC合成桁橋の効率的で安全な床版撤去作業を実現 ―

三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、大規模インフラ更新事業における鋼・RC(鉄筋コンクリート)合成桁橋の床版取替工事で、既存のRC床版の鋼桁との接合部(スタッド/ずれ止め)の床版切断システム「水平カッター」(※1) を開発・実証実験(※2) を行い、中国自動車道 蓼野たでの 第四橋(島根県)の床版取替工事で試験導入しました。

本システムの導入によって効率的で安全な撤去作業を実現しました。

(※1) 特許出願中

(※2) SMCプレコンクリート(株) (当社関係会社)栃木工場で実施

20211210_01.png

【床版切断システム「水平カッター」による撤去作業の様子】

■ システムの概要と特徴

従来、鋼・RC合成桁橋における床版撤去作業は、鋼桁間の床版を垂直に切断して先行撤去し、鋼桁とスタッドなどのずれ止めで接合された部分はウォータージェットやワイヤーソーなどで撤去しており、効率化と安全性に課題がありました。

本システムは接合部の床版をウォールソーで水平切断して撤去するもので、特徴は以下のとおりです。

[1] 切断作業の効率化

幅や厚みが異なる床版に対応可能な固定台と2機のウォールソーで構成されています。切断作業はウォールソーが自動で走行レールに沿って水平移動するだけで、従来のワイヤーソーを用いた切断作業と比較して約1.5倍の高速化を実現しました。

[2] 安全性の向上

カッターブレード自体が専用の鋼製カバー(自社開発)で覆われており、作業時の破片の飛び散りが無く安全に切断ができます。また軽作業で施工が可能で、粉塵や振動もほとんど発生しません。

[3] ケレン作業の省力化

切断面が平滑で鋼桁との接合面ぎりぎりで切断できるため、新たに設置する床版との接合部の下地(ケレン)作業を最小化します。

20211210_02.png
【合成桁の床版撤去方法】
20211210_03.png
【「水平カッター」の構成図】
20211210_04.png 20211210_05.png

【接合部の床版撤去後の切断面】

■ 本システムを試験導入した工事

工事名 中国自動車道(特定更新等)蓼野たでの第二橋他3橋床版取替工事
発注者 西日本高速道路株式会社 中国支社
施工者 三井住友建設株式会社・株式会社日本ピーエス 特定建設工事共同企業体
工事場所 島根県鹿足郡吉賀町蓼野
工期 2019年11月15日~2022年8月30日
工事概要 床版取替工、床版防水工、落橋防止装置、支承取替工

■ 今後の展開

当社では、「中期経営計画2019-2021」において「建設生産プロセスの変革」を基本方針の一つに掲げ、生産性の向上に取り組んでいます。今後は、大規模インフラ更新事業の市場規模拡大を見据えて、本システムの更なる開発を進め、完全自動化による更なる省力化・省人化の実現を目指してまいります。

<お問い合わせ先>

三井住友建設広報室【お問い合わせフォーム】

リリースに記載している情報は発表時のものです。

一覧ページへ