締固めの範囲と時間を見える化する「ARコンクリート締固め管理システム」を開発
― コンクリート締固めの定量的な管理をAR技術でサポート ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、コンクリート打設時にAR(※1) 技術を活用して締固め作業の定量的な管理を行う「ARコンクリート締固め管理システム」(※2) を開発しました。
本システムは、打設したコンクリートの締固め範囲と時間をiPad(※3) の画面上に見える化するもので、締固め作業の定量的な管理が可能となり、確実なコンクリート充填と構造物の高品質化を実現します。
そして、このたび実現場で試験導入して有効性の確認を行い、実用化に目処をつけました。
(※1) Augmented Reality(拡張現実)の略
(※2) 特許出願中
(※3) iPadは米国Apple,Inc.の登録商標
【「ARコンクリート締固め管理システム」を用いた作業の様子】
■ 開発の背景
高品質なコンクリート構造物を構築するには、コンクリート全体をバイブレータで定めた時間締固めることが求められます。しかし、従来の締固めの管理はバイブレータの挿入時に作業員と施工管理者が充填状況を目視でコンクリート表面から判断するなど、人間の感覚に頼った定性的なものでした。
そこで、当社は締固め管理に必要な情報をAR技術で見える化し、コンクリート全体の締固め範囲・時間を定量的に管理し、コンクリート全体を確実に締固めることができる「ARコンクリート締固め管理システム」の開発に着手しました。
■ 本システムの特徴
[1] AR技術による締固め情報の見える化
現実には見えないコンクリート締固めに関する各種情報「締固め範囲」、「締固め時間」、「締固め完了状況」を見える化します。
[2] 垂直方向の打ち重ね管理にも対応
システムに3Dモデリング技術を活用することで、鉛直方向の情報の表現(色違い)ができ、垂直方向の打ち重ねにおける締固め管理も可能です。
[3] 複数のiPadで広範囲の管理が可能
ネットワークを介して、同時に複数のiPadで同じ締固め状況をリアルタイムで管理できるため、複数台で広範囲の締固め管理が可能です。
【システム画面】 |
【複数人で締固め(打ち重ね)するイメージ】 |
■ 今後の展開
今後は本システムをより現場のニーズに沿った仕様になるよう開発を進め、デジタル技術による現場管理の効率化と品質向上に取り組み、建設業のデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。
<お問い合わせ先>
リリースに記載している情報は発表時のものです。