生産性向上を実現するRFタグ埋込型コンクリート製スペーサを開発・導入
― PCa部材の製造から現場搬入まで情報の一元管理が可能に ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄)は、プレキャストコンクリート(PCa)部材のトレーサビリティを実現する、RFタグを埋め込んだコンクリート製スペーサ(※1、2) を開発し、自社PCa工場で導入しました。
本スペーサは、コンクリート製でPCa部材との親和性が高く、90N/mm2までの強度に対応しています。貼り付けRFタグや自社開発の樹脂製RFタグ一体型スペーサ(※3) に本スペーサが加わったことで、PCa工場や建設現場の様々なニーズに応じたRFタグが選択可能となりました。
また、本スペーサの導入により、PCa部材の製造開始時から保管、出荷、さらには現場搬入時の受入検査に至るまでの生産管理情報の一元管理が可能となり、PCa工場および建設現場の生産性向上が実現します。
(※1) RFタグ : KISCO株式会社製、コンクリート製スペーサ:株式会社ドーケン製
(※2) スペーサ : コンクリートを打設する際、鉄筋と型枠との間隔(かぶり厚さ)を保つために用いるもの
(※3) PCa部材のトレーサビリティを実現するRFIDタグ一体型スペーサを開発(2023年06月06日リリース)
【開発したRFタグ埋込型コンクリート製スペーサの取付状況】
■ RFタグ埋込型コンクリート製スペーサの特徴
本スペーサの特徴は以下の通りです。
- PCa部材と親和性の高いコンクリート製で、通常の鉄筋コンクリート製品用スペーサと同様に使用ができ、強度指定(~90N/mm²)やかぶり厚さのオーダーメイドが可能です。
- 最適なチューニングをおこなったUHF帯域のRFタグを使用し、PCa部材に設置した状態で約1mの通信距離を確保しました。
- RFタグをスペーサ内部に埋め込むことで、コンクリート打込後の剥離や部材保管・積込時の損傷リスクが減少します。
【RFタグの読み込み作業】
■ 今後の展開
当社では、PCa部材の生産管理情報を一元管理する次世代PCa生産管理システム「PATRAC®(パトラック/Precast Automatic TRACing system)」(※4、5、6、7) を自社開発し、PCa工事における生産管理情報の共有化や施工管理の効率化に取り組んできました。
今後は、本スペーサを「PATRAC」と連携し活用することで、ICTを活用したPCa工場や施工現場での更なる生産性向上に取り組み、労務者不足などの社会的課題の解決にも貢献してまいります。
(※4) IoTを活用した次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発に着手(2018年12月18日リリース)
(※5) 作業員位置情報をリアルタイムで識別し、PCa 工場の製造プロセスを最適化(2019年05月20日リリース)
(※6) PCa工場の製造管理システム「PATRAC-PM」の機能拡張(2021年06月11日リリース)
(※7) PCa部材管理システム「PATRAC-DL」を実現場で運用開始(2021年12月03日リリース)
<お問い合わせ先>
本件についてのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
三井住友建設株式会社
経営企画本部 広報室
〒104-0051 東京都中央区佃二丁目1番6号
TEL: 03-4582-3015 FAX: 03-4582-3204
《参考》
「PATRAC®(パトラック/Precast Automatic TRACing system)」とは
超高層マンション等の主要構造体として用いるプレキャスト(PCa)部材の生産管理において、更なる高品質化と生産性向上を実現するIoT(モノのインターネット)を活用した次世代PCa生産管理システム「PATRAC(パトラック/Precast Automatic TRACing system)」のことです。
【「PATRAC」のイメージ図】
これまでに、RFタグによるPCa部材の生産管理情報のシームレスな一元管理を可能にする「PATRAC-DL(DeLivery)」や、PCa工場の製造プロセスを最適化する「PATRAC-PM(Production Manegement)」などを開発・導入し、PCa工場および建設現場の生産性向上に取り組んでいます。
〔関連リリース〕
IoTを活用した次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発に着手(2018年12月18日リリース)
作業員位置情報をリアルタイムで識別し、PCa 工場の製造プロセスを最適化(2019年05月20日リリース)
PCa工場の製造管理システム「PATRAC-PM」の機能拡張(2021年06月11日リリース)