「サスティンクリート®」をデザインパネルとして初適用
― 脱炭素社会へ貢献する高性能コンクリート ―
三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 近藤 重敏)は、自社開発した高性能コンクリート「サスティンクリート®」(※1) を使用した、高い意匠性を可能にするデザインパネル「サスティンWALLゼロ」(※2) を開発しました。
そしてこのたび、(仮称)港区東麻布二丁目計画(発注者:三井不動産レジデンシャル株式会社)の設備機器の目隠しパネルとして初適用しました。
「サスティンWALLゼロ」は、ポルトランドセメント(※3) を使用しない「サスティンクリート」を用いるため、脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラル化に寄与する製品です。
(※1) 持続可能性に貢献する高性能コンクリート「サスティンクリート」を開発(2018年02月26日リリース)
(※2) 商標登録出願中
(※3) コンクリートに一般的に用いられるセメントの正式名称。
コンクリートの製造時におけるCO2排出量の多くは、ポルトランドセメントの使用量で決まります。
【初適用されたデザインパネル「サスティンWALLゼロ」】
■ 「サスティンWALLゼロ」の特徴
「サスティンWALLゼロ」は、高性能コンクリート「サスティンクリート」が持つ超低収縮、超低発熱、超低炭素、高流動、高強度という特性を活かして、高い意匠性を実現しつつ環境負荷の低減を実現する製品です。
その特徴と今回適用されたデザインパネルの詳細は以下のとおりです。
[1] 自由で軽やかなデザイン
適用された建物本体のデザインモチーフである「麻の葉」の文様をイメージした六角形の開口を、5枚並べたパネル(幅約1.6m×高さ約1.8m/枚)にランダム配置。なお、これらの六角形の開口同士は近接しており、通常のコンクリートでは成形が難しく、ひび割れが生じやすい開口間幅(最小幅30mm)となっていますが、「超低収縮」「高流動」の特性を活かし、欠けやひび割れが生じない仕上がりを実現しました。
[2] 軽やかな印象を与える薄さ
建物本体に呼応するデザインを成立させるため、コンクリートの重々しさを軽減する薄さが求められました。そこで「高流動」「高強度」の特性を活かし、無鉄筋で厚さ40mmの薄型パネルを実現しました。
[3] CO2排出量削減で脱炭素化に貢献
使用されたサスティンクリートは、超高強度(120N/mm²)であるにもかかわらず、ポルトランドセメントを一切使用していません。そのため従来の超高強度コンクリートに比べ、製造時のCO2排出量は80%以上削減されています。
【「サスティンWALLゼロ」製作時の様子】
■ 今後の展開
当社では「サスティンクリート」の開発後、非鉄製材料を用いた超高耐久プレストレストコンクリート(PC)橋梁(※4) やプレキャスト(PCa)床版の接合工法「サスティンジョイント」(※5) など土木分野での適用実績がありましたが、今回初めて「サスティンWALLゼロ」として建築分野での適用を行いました。
今後は、「サスティンクリート」の特性を活かして、建築物の構造部材としての適用に向けた研究開発を進めてまいります。
当社は、2050年のカーボンニュートラルを目指し、建設会社として脱炭素社会の実現に取り組んでおり、今後もこのような研究開発を通じて、地球環境の負荷低減に貢献してまいります。
(※4) 持続可能性に貢献する高性能コンクリート「サスティンクリート」を初適用(2019年07月09日リリース)
(※5) プレキャスト床版の新たな接合工法「サスティンジョイント」を開発(2020年11月20日リリース)
<お問い合わせ先>
リリースに記載している情報は発表時のものです。
《参考》
工事名称 | (仮称)港区東麻布二丁目計画 |
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発注者 | 三井不動産レジデンシャル株式会社 |
建設場所 | 東京都港区東麻布三丁目 |
設計監理 | 三井住友建設株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 三井住友建設株式会社東京建築支店 |
工期 | 2019年10月1日~2021年7月30日 |
敷地面積 | 2,006.06m² |
建築面積 | 1,401.6m² |
延床面積 | 8,871.74m² |
構造規模 | 地上9階(鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造)[最高高さ32.52m] |
用途 | ホテル、飲食店、物販店舗 |
【(仮称)港区東麻布二丁目計画 外観】