三井住友建設の水上太陽光発電の取り組み
水上太陽光発電とは ?
水上での太陽光発電は、未利用地の有効活用、水面の冷却効果による高効率の発電、環境 負荷が小さい方法といった多くのメリットがあります。
これまでは、農業用のため池に多く設置されてきましたが、それ以外にも水面は、防災調整池、ダム湖、海洋、河川などもあり、導入ポテンシャルは非常に大きいです。 国も水上太陽光発電には、補助金の導入、ガイドライン、手引きの作成など積極的な支援を進めています。併せて適地水面の評価や事業性検討により、最適な水面を選定し補助金獲得支援、オンサイト・オフサイトPPAサービスまでワンストップでグリーン電力を供給します。
地域との共生を図りつつ、地域における再生可能エネルギーの導入を推進します。
水上太陽光発電のメリット
|  | 水面の有効利用 | これまで使用されていなかった池や貯水池に、新たな太陽光発電設備を設置して水面を有効活用できます。 | 
|---|---|---|
|  | 適用範囲 | さまざまな水源に導入可能です。 | 
|  | 水面冷却効果 | 水面の冷却効果により、太陽光パネルの温度上昇を抑えることで、高効率な発電が望めます。 | 
|  | 影の影響 | 地上設置に比べて周辺植物の成長による日照への影響が少ないため、ロスのない発電が望めます。 | 
|  | 環境に優しい | 造成工事による切り盛りや地盤改良および森林伐採の必要がないため、環境負荷の低減と発電所建設コストの低減が図れます。 | 
|  | 優れた施工性 | 人力で組立可能で、陸上への設置と比較して、安全性や施工性に優れています。 | 
|  | 遮光の効果 | フロートで水面を覆うことで、遮熱による水温上昇の抑制や、遮光による水の蒸発や藻の発生を抑制することが期待できます。 | 
|  | レジリエンス | 監視カメラ、風向風速計を標準設置しています。水位計や水温計を追加設置することで、災害時等のため池遠隔監視が可能となります。 | 
水上太陽光発電用フロートシステム

当社が開発した水上太陽光発電用フロートシステムは、太陽光パネル1枚に対して1基の本体フロートで支持します。フロートどうしはブリッジフロートで連結しアイランド(島)を構築します。フロートの内部に発泡スチロールを充填していることが特徴であり、万一表皮が損傷した場合でも決して沈まない構造としています。
| 材質 | 高密度ポリエチレン HDPE | 
|---|---|
| 紫外線対策 | 灰色着色 紫外線吸収剤添加 | 
| パネル角度 | 9° | 
| 1ピース当たり重量 | 本体フロート 9.7kg ブリッジフロート 2.0kg | 
係留システム
風圧荷重などの外力に対応するため、アイランドを固定(係留)します。
アイランドの外周に設置する足場用フロート(太陽光パネルを設置しないフロート)と池底面に設置するアンカーやコンクリートブロックとを係留ロープで結びつけて係留します。係留ロープの長さは、水位変動に対応できるよう豪雨等による水位上昇を考慮し決定します。
 
 適地拡大へ向けた取り組み
これまで導入が進んでいなかった洋上、多雪地域、水の無い調整池、大深度ダムなどの導入を目指します。
農業用のため池を中心に導入を進めてきましたが、今後は適地の拡大に向けて、さまざまな実証実験、技術開発等を行うなど、積極的に取り組んでいきます。
  - 洋上での実証事業 東京ベイeSGプロジェクト(東京都) 
  - 多雪地域での実証実験 
  - 水が無くなる池への展開 
  - 波浪、水流の水理実験 
水上設置型太陽光発電(PPA)のご提案
PPAとは
発電事業者が太陽光発電設備を設置し、発電した電気を企業や 自治体等が購入して使うPPA(Power Purchase Agreement:電力 販売契約)が普及してきています。PPAの形態には、オンサイト型とオフサイト型があります。 オンサイト型は、需要家の近接水面を活用して自営線で直接給電します。一方、オフサイト型は、系統線を利用して送電する方法です。
当社は、電気発電事業者として、フロートの設計から発電所の運用・保守までワンストップで実施しており、PPAサービスを自社でご提供することで長期間安定した電力を供給致します。
 
 その課題、PPAで解決 !
PPA2つの型
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オンサイト型PPA▶ 需要家の近接水面を活用して自営線で直接給電する  
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オフサイト型PPA▶ 系統線により送電する  
PPAのメリット
| PPAスキーム | 自己所有 | |
|---|---|---|
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 | 資産計上 不要 
 | 資産計上 必要 
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 | 初期投資 不要 
 | 初期投資 必要 
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 | 負担なし 
 | 自社負担 
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 | 撤去負担なし 
 | 自社負担 
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 | 対応不要 
 | 自社対応 
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主要実績
三井住友建設は、水上設置型の太陽光発電を中心に再生可能エネルギー事業に積極的に取り組んでいます。
 水上設置型太陽光発電
水上設置型太陽光発電
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兵庫県
 2025年5月 運用開始加東市(平池・新池)水上太陽光発電所 1.6MW   FIP制度活用型PPA 
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熊本県
 2024年2月 運用開始工場内調整池での水上太陽光発電所 0.8MW   オンサイトPPA 
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大阪府
 2024年1月 運用開始泉佐野市郷之池水上太陽光発電所 1.9MW   オフサイトPPA 
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大阪府
 2023年6月 運用開始泉佐野市長滝第1/第2水上太陽光発電所 2.8MW   オフサイトPPA 
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香川県
 2021年4月 運用開始蓮池水上太陽光発電所 1.9MW   FIT 
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香川県
 2020年1月 運用開始女井間池水上太陽光発電所 2.8MW   FIT 
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香川県
 2017年11月 運用開始平木尾池水上太陽光発電所 2.6MW   FIT 
 陸上設置型太陽光発電
陸上設置型太陽光発電
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岡山県
 2021年12月 運用開始岡山吉備中央町太陽光発電所 1.8MW   FIT 
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佐賀県
 2014年11月 運用開始三田川太陽光発電所 1.1MW   FIT