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低配筋橋脚のアラミドFRPロッドによる耐震補強とは

東日本大震災では想定を超える地震動により構造物に甚大な被害が生じました。一方で、阪神淡路大震災の教訓を踏まえた耐震補強が実施された橋梁においては、落橋などの致命的な損傷を回避し震災後の早期復旧に寄与した事例も多くありました。しかしながら、河川内などの橋脚では補強工事は大規模な仮設備が必要で、費用も工期も増加することから、耐震補強が遅れているのが現状です。

本工法は、既設橋脚の上端より削孔し、アラミドFRPロッドを挿入し、プレストレスを与えることにより、橋脚の曲げ耐力を向上させる耐震補強工法です。作業は橋の上部工に干渉することなく橋脚上面から行えるため、仮桟橋や河川締切などの大規模な仮設備や水中作業が不要です。条件によりますが従来の工法に比べて工費、工期ともに大幅に削減できます。

特徴

  • 橋脚軸方向にプレストレスを与えることにより、効果的に曲げ耐力を向上させることができる。
  • 作業は橋の上部工に干渉することなく橋脚上面から行えるため、仮桟橋や河川締切などの大規模な仮設備や水中作業が不要である。
  • 仮設備の縮小により従来の工法に比べて工費、工期ともに大幅に削減できる。
  • アラミドFRPロッドは高強度で耐食性があり、非電導なので特に鉄道橋では安全な施工が可能である。
  • アラミドFRPロッドは柔軟で付着性も高いため施工性がよく、本工法の緊張材として適している。

性能確認試験

  • 日時:2015年3月3日(公開試験) 4、5日(継続試験)
  • 場所:(公財)鉄道総合技術研究所 国立研究所


試験の様子

施工手順

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施工例

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全景
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アラミドFRPロッド挿入

昭和34年に建設された橋梁の耐震補強に本工法が採用され、一切の河川内作業を行うことなく、壁式RC橋脚の主筋段落とし部の曲げ補強を行った。

 

 

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