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ブラケット付き横梁アラミドシート補強工法とは
落橋防止などのためにラーメン橋脚横梁側面に取り付けられた鋼製ブラケットや支承などを避けて、アラミドシートを3、4面に隙間なく貼り付けるせん断補強工法です。 | ![]() ブラケット付き横梁の例 |
特徴
- 鋼製ブラケットや支承が設置されているラーメン橋脚横梁の耐震補強に効果的です。
- 横梁上面の施工空間が制限される場合でも、部分プレキャストアラミドシートを用いることで施工可能です。
- 横梁の側面・底面は、鋼製ブラケットとアラミドシートで隙間のないように覆われるため、コンクリートの剥落防止や耐久性の向上にも有効です。
- 横梁側面の鋼製ブラケットを取り外すことなく、簡単に施工ができます。
- シートを3面・4面に貼り付けるだけなので、重機は不要です。また、死荷重の増加もほとんどありません。
工法の概要
この工法は、鋼製ブラケットをそのままにし、ブラケットの下側側面および底面の3面にアラミドシートを隙間なく貼り付け、ブラケットのない部分ではシートを4面に貼り付けます。なお、アラミドシートは非導電性材料ですので、鋼板に接触しても電位差腐食を起こす心配がありません。また、高圧線の近くで施工しても、安全性には大きな障害とはなりません。
実証試験
掘進機の製作期間が必要ないため、シールド工法と比べて、大幅な工期の短縮が可能となります。
その他
せん断補強効果は、正負交番繰り返し載荷試験や非線形FEM解析によって確認されています。
実証試験によると、ブラケットなし(N)に比べて、ブラケットを取り付けただけでも(B1、B2)せん断耐力は20~30%程度増加しますが、それに3面・4面のアラミドシート補強を行うことで(B1A、B2A)、60~80%程度もせん断耐力が増加します。また、正負交番繰り返し載荷でも、一方向単調載荷に比べて、せん断耐力は10%程度しか低下しません。
![]() B1A試験体 |
![]() B2A試験体 |
![]() 補強効果の一例 |