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制震工法とは

制震工法とは、高架橋に減衰装置を付加することによって減衰性能を与え、応答変位や応答加速度を小さく抑える耐震補強工法です。減衰装置として、粘性体を使用した「減衰こま(RDT:Rotary Damping Tube)」を使用します。本工法は土木学会技術評価証(第1号)を取得しています。

特徴

車両走行安全性の向上

従来の鋼板巻立て工法では、大地震後に残留変位が生じ、再補修が必要と予想されます。それに対し、制震工法では地震時の応答変位を小さくでき、地震後も補修なしで車両走行が可能です。

施工性の向上

  • 3径間ラーメン構造(8本柱)の場合、半分の4本の柱に対して減衰装置を取り付けるだけで十分な補強効果が得られます。
  • 高架橋下に店舗等の構造物がある場合でも、外側に減衰装置を取り付けることが可能です。

工期短縮

補強箇所が少なくなり、高架橋下の壁等を壊すことなく施工が可能で、工期短縮が図れます。

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減衰こま取付けイメージ
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減衰こまの構造
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補強効果確認試験

補強効果を確認するため、実構造物の1/2.5スケールの模型振動実験を行いました。実験の結果、加速度応答倍率は1/5に低減されました。また阪神大震災クラスの地震力に対しても、構造物の損傷はほとんどありませんでした。

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試験状況
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スイープ試験結果

実施例

建築構造物では多くの実施例があります。

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その他

増幅機構付き減衰装置(減衰こま)による構造物の耐震補強工法が土木学会技術評価証(第1号)を取得し、設計・施工指針が発刊されました。

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技術評価証
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設計・施工指針

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