• 長寿命・高耐久

構造物モニタリングシステムとは

構造物モニタリングシステムは、計測システムと変状検知システムで構成されています。3軸加速度センサによる計測データは無線での収集が可能であり、LTE回線等によりクラウドサーバーに随時保存されます。

計測システムは、計測点間の時刻同期を無線で行っています。そのため、構造物全体の振動特性を精度良く把握することが可能です。
加速度センサには、高精度のMEMSセンサを使用しており、省電力で高精度な振動計測を実現しています。また、乾電池で長期間の稼働ができ、システムの完全無線化により自由度の高い計測点配置が可能です。本システムは橋梁や建物などの構造物に適用可能ですが、特に電源確保が難しい橋梁などのモニタリングに適しています。

地震が発生した場合には、地震を検知し震度の通知を行うことが可能です。変状検知システムにより、地震後には地震前の健全な状態と比較し、損傷の有無の判定を行うことで、構造物の継続利用の判断に活用できます。
常設されたセンサにより、日々の変化を記録するため、長期的な特性の変化を把握することにも適しています。

 

structure-monitoring-system_01.png

構造物モニタリングシステムの概要

特徴

  • ソーラーパネルや電池により駆動可能なため、外部電源が無い場合でもシステムの構築が可能です。
  • 無線通信により計測データを収集します。そのため、大規模な配線が不要です。
  • 計測器はマルチホップネットワークを構成するため、広範囲の計測が可能です。
  • LTE回線を利用して計測データをクラウドサーバーに保存することにより、インターネット経由で計測データを常時参照できます。
  • スケジューリングによる定期計測、地震感知による地震中の計測の両方が可能です。
  • 固有振動数の推定に独自のアルゴリズムを使用し、高精度化を実現しています。
  • 地震後に健全な状態との比較を行い、変状の有無を検知します。
  • 地震後に計測データの増加に合わせて、段階的に検知精度を向上させ、微小な固有振動数の変化でも検知します。
  • 常設センサによる日々の状態変化を遠隔からいつでも確認できます。

計測可能な項目

  • 加速度(3軸方向)
  • 傾斜角度(2方向)
  • 外ケーブルや斜材の張力(振動法による推定)

活用例

  • 部材の日常の変化の検知 ... 構造物本体の日常管理を定量的に実現
  • 長期たわみの推定 ... 異常変位の検知
  • 地震時の震度推定 ... 地震直後の健全性の判定
  • 地震時の部材の変状の検知 ... 地震直後の健全性の判定

適用実績

寺迫ちょうちょ大橋、武庫川橋、ほか既設橋梁のモニタリングに使用

長寿命・高耐久