〔実録〕コンビニを木造で。

#3 木造コンビニ、外観ほぼ出来上がり、内装工事に着手

基木造コンビニが建設されている大規模開発エリア(ViNA GARDENS)は、小田急海老名駅とJR海老名駅の間に位置していて、2つの駅を結ぶ連絡通路からよく見えるんです。この木造コンビニはプロジェクト全体の中で最初に出来上がる建物で、現時点では広大な更地のほぼ真ん中で存在感を放っています。

近くには公園もあります。
切妻屋根がかなり目立っています。

切妻屋根がかなり目立っています。あえて茶系ではなくダークグレーを基本としたモダンなデザインで、この状態だとコンビニエンスストアになるとは想像できないかもしれませんね。

このコンビニエンスストアは単に「木を使う」というだけではなく、大規模開発エリアの中の「憩いの場」を目指していますので、木造建築本来の「デザイン」「香り」「触感」といった良さを最大限活かす設計、内装デザインになっています。

建物に入ると、ふわっと心地よい天然木の香りがして、心が癒される気がします。

開口部は非常に高く明るく開放感のある造りになっており、金属の大型サッシと木材の取り合いも工夫を凝らしました。
取材当日の天候は曇りでしたがとても明るい印象です。天井にも出来る限り木素材を使用しています。

内観の全体図です、商品の棚などが何も入っていないコンビニエンスストアは、ガランとしてなんだか広く感じますね。

店舗の真ん中に柱が!

さて、お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、真ん中に2本柱がドーンと立っていますね。これが、1時間耐火認定取得の「木ぐるみFR」を用いた柱材です。窓側にある4本を含めて全部で6本使用しています。

一般的にこの規模の店舗では、売り場の真ん中に柱が立つことは、施主様には嫌がられる場合が多いのです。

しかし今回美しい木材による柱となるため、この柱もデザインの要素として用いられています。

もうひとつ、木造コンビニエンスストアならではのこだわりがあります。24時間休みなく営業をするコンビニエンスストアにとって、店舗を効率よく運営するオペレーションも大切です。例えば清掃、床を掃除する時にどうしても水を使います。床は木材のフローリングというわけにはいかなかったのですが、床に接している6本の柱は天然木材です。
さて、どうやって、水分との結界を作るかと思案していたところ、木造建築のプロフェッショナルの方から「寺社仏閣では銅板で水を防ぐよ」という素晴らしいアイデアが!

現代の象徴コンビニエンスストアに、まさかの伝統建築技法の導入です。

木造の切妻屋根といえば、気になるのは、あの三角形の屋根裏。開店してからは決して見ることのできない、貴重な?屋根裏ショットです。確かに屋根までしっかり木造でした。アルプス山脈にある山小屋のように藁のベッドを置いてみたいなぁ〜等と妄想に駆られますが、ちゃんと営業するコンビニエンスストアなので、妄想でとどめておきます。

続いてまたまた外に出てみましょう。
これは天然木の外壁です。伝統的な工法の焼き杉をイメージした、味のあるダークトーンの色彩に仕上がりました。天然木を屋外で使う場合、色合いの変化も気になるところ。大切にお手入れをしながら年月を経てさらに味の出るように、長いスパンの時間を意識し先々のことを考えた仕上げです。

駐車場側から見た全体像(ウラ)です。カフェかレストラン?と思わせるような、これまでの一般的なコンビニエンスストアとは違った何か独特の存在感を感じます。

さて、いよいよこれからは、
コンビニエンスストア内部や看板などの、テナント様工事や、外構工事が始まります。天然木素材を活かした内装やサイン計画を検討されています。

新しく大規模開発される、このエリアの、「憩い」のランドマークになりそうな予感!
完成が楽しみです!

次回は、#4 いよいよコンビニが完成です!