- 土木
アラミドシート巻き立て工法とは
アラミドシートを、既設RC橋脚の表面に含浸接着樹脂を用いて貼り付けることにより、橋脚の曲げ耐力、せん断耐力、じん性の向上を図る耐震補強工法です。 | ![]() |
特徴
- 経済的
補強による重量増加がわずかであり、基礎補強費の軽減が図れます。また、補強量を目的や必要量に応じて調節することができるため、従来の補強工法よりも経済的です。
- 優れた施工性
軽量で現地への搬入や加工が容易なため、特殊足場や大型重機が不要で仮設備が縮小できるとともに、狭隘な環境でも確実に施工できます。また、柔軟で変形性に富むため、既設橋脚の出来形のばらつきに補強工事が左右されません。さらに、短時間で施工することができます。
- 部材寸法が変わらない
補強による部材寸法の増加がなく、RC巻立て工法のように建築限界や河積阻害率を侵しません。
- 耐久性が高く、非磁性、非電導
アラミドシートは、耐久性に優れ、非磁性、非電導体であるため、施工環境を選びません。
施工
既設橋脚表面の下地処理
プライマーを塗布し、含浸接着樹脂を用いてアラミド繊維シートを一層ずつ必要層数貼り付けます。
表面保護のため、塗装あるいはモルタルで仕上げ処理を行います。 |
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適用
- 曲げ補強
アラミドシートを、橋脚の部材軸方向に貼り付け ることにより主鉄筋段落し部の曲げ耐力を向上さ せることができます。また、フーチングに定着したア ンカー筋とアラミドシートを連続させることにより、 橋脚基部の曲げ耐力を向上させることができます
- せん断補強
アラミドシートを、橋脚の部材軸直角方向に貼り 付けることにより、せん断耐力を向上させることがで きます。
- じん性向上
アラミドシートを、橋脚基部の部材軸直角方向 に貼り付けることにより、コンクリートの拘束効果を 高め、変形性能を向上させることができます。
実施例
![]() 西船橋橋脚(ラーメン橋) |
![]() 栗原跨線橋(橋脚基部の曲げ補強) |
![]() 佐久間川橋(壁式橋脚への適用) |
![]() 男鹿大橋(フーチング補強も実施) |