• 長寿命・高耐久

超高耐久床版(Dura-Slab®)とは

高速道路橋は、経過年数に伴う老朽化だけでなく交通量と車両総重量の増加、凍結防止剤の散布や沿岸部での塩害などによる劣化が進行しているため、鉄筋やPC鋼材などの鋼部材を一切用いない超高耐久のプレキャスト床版(Dura-Slab)です。

西日本高速道路(株)と当社との共同研究により開発しました。

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超高耐久床版(Dura-Slab)の概要図

注)アラミドFRPロッドとは、PC鋼材の代替えとなる引張力に強い繊維を束ねた棒状の材料をいいます。

特徴

[1] 腐食劣化を排除

  • 設計基準強度80N/mm2の高強度繊維補強コンクリートを使用することにより、鉄筋の配置をなくし、PC鋼材の代わりにアラミドFRPロッドを使用してプレストレスを導入することで、腐食劣化の可能性を排除しました。

[2] 床版の構造

  • 本プレキャスト床版の構造は、橋軸直角方向に水平リブを有し、さらにアラミドFRPロッドによりプレストレスを導入しています。
  • 本床版構造は、間詰め部を一般的なプレキャストPC床版より小さく、アラミドFRPロッドで橋軸方向にPC床版相互を連結する構造のため、床版厚を約2割(220mm→180mm)薄くできます。

[3] 第三者被害の防止、耐久性向上、維持管理費の低減

  • 本床版は、鋼材腐食によるコンクリート片のはく落などの第三者被害が発生しません。また、軽量化による耐震性と既設桁の疲労耐久性の向上により、将来の維持管理の人的及び経済的負荷の低減が可能です。

 

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一般的なプレキャストPC床版の接合構造

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超高耐久床版の接合構造


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実験 [1]

実物大の床版切り出しモデルに対する輪荷重走行試験を実施した結果、従来の鉄筋やPC鋼材を用いたPC床版と同等の疲労耐久性を有することを確認しました。

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輪荷重走行試験

実験 [2]

Dura-Slabは鉄筋を用いないため、床版のスタッド孔まわりに補強筋を設置することができません。高強度繊維補強コンクリートを使用することにより、スタッド孔まわりに補強が必要ないことを確認しました。また、耐久性をさらに高めるために、スタッド孔は床版下端に箱抜きを設け、床版下側から無収縮モルタルを注入して充填できます。

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一般的なPC床版のずれ止め構造

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Dura-Slabのずれ止め構造

 

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Dura-Slab接続部の試験概要

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Dura-Slab接続部試験

今後の展開

今後、高速道路リニューアルプロジェクトにおいて、高い耐久性が望まれる箇所への適用を検討していきます。

関連リリース

超高耐久床版(Dura-Slab®)を採用した床版取替工事完了(2021年11月25日リリース)

超高耐久床版(Dura-Slab®)を高速道路本線橋に初採用(2021年06月30日リリース)

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