- 長寿命・高耐久
サスティンクリート®(Sustain-Crete®)
サスティンクリートは、材料に由来するCO2排出量を40%~最大90%削減する環境配慮型コンクリートです。高炉スラグ微粉末やフライアッシュ、シリカフュームなどの産業副産物の特性を考慮し、配(調)合の最適化を図ることによって、様々な構造物の要求性能を満足しつつCO2排出量が多いポルトランドセメント(以下、セメント)の使用量を極力低減します。
特徴
[1] CO2排出量を大幅に削減可能
- 通常のコンクリートよりもセメント量を少なくすることによって、CO2排出量を40%以上削減します。セメントを全く使用しない条件(ゼロセメントタイプ)においては最大で約90%削減が可能です。
サスティンクリートのCO2排出量(特徴[1])
[2] 普通強度から超高強度(設計基準強度220N/mm2)に対応
- 一般的な環境配慮型コンクリートより強度範囲が広いコンクリートです。超高強度のコンクリート部材は、普通強度のコンクリート部材よりもより多くのセメントが必要となりますが、サスティンクリートは超高強度の部材においても使用するセメント量を少なくでき、CO2排出量を削減します。
サスティンクリートの強度範囲(特徴[2])
[3] 超低収縮の性能を付加した特別な配(調)合も可能
- 産業副産物でもある特殊な細骨材(フェロニッケルスラグ)を活用した配(調)合とすることで、超低収縮の性能を付加することが可能です。これによりコンクリートの収縮ひび割れのリスクを大幅に低減することが可能になり、耐久性がより向上します。
- 収縮ひび割れを回避したい構造部材・部位や、通常のコンクリートでは収縮ひび割れが発生し、成形が難しい複雑なデザインの部材・造形物などにも適用可能です。
超低収縮性能を付加した場合の収縮特性(特徴[3])
お客様のメリット
- ライフサイクル全般でのCO2排出量を低減します。
- 耐久性向上による構造物の長寿命化により、維持管理費用が削減できます。
- プレキャストコンクリート部材を中心に土木・建築分野の構造物に幅広く使用できます。
実績
■ ゼロセメントタイプの構造体への使用(特徴[1][2][3])
セメント不使用・超低収縮タイプのサスティンクリート(短繊維補強)と腐食しないアラミドFRPロッドと組み合わせた「環境配慮型高耐久PC橋梁」
【適用の効果】
- 高強度(140N/mm2)、短繊維補強材を入れた配(調)合において、CO2排出量を70%削減
- 超低収縮の性能を付加することで、収縮量ほぼゼロを実現
プレストレストコンクリート桁の架設状況 |
CO2排出量 |
関連リリース
持続可能性に貢献する高性能コンクリート「サスティンクリート®」を初適用(2019年7月9日リリース)
■ プレキャスト床版接合部への使用(特徴[1][2][3])
サスティンクリートにあき重ね継手を組合せたプレキャスト床版接合工法「サスティンジョイント」
【適用の効果】
- 高強度(160N/mm2)、短繊維補強材を入れた配(調)合において、CO2排出量を40%削減
- 橋軸直角方向の補強鉄筋が不要となり、現場での配筋作業を省力化
サスティンジョイント概要
関連リリース
■ ゼロセメントタイプの非構造部材への使用(特徴[1][2][3])
高い意匠性と環境負荷低減を実現するデザインパネル「サスティンWALLゼロ」
【適用の効果】
- 高強度(120N/mm2)の配(調)合において、CO2排出量を80%以上削減
- 超低収縮の性能を付加することで、薄く意匠性に優れたコンクリート製のデザインパネルを実現
設備機器の目隠しパネルへの適用 |
ホールステージの立上り壁への適用 |
関連リリース
「サスティンクリート®」をデザインパネルとして初適用(2022年1月13日 ニュースリリース)
■ ゼロセメントタイプの構造部材への使用(特徴[1][2][3])
- 計画中の建物で、国内初の一般財団法人日本建築センターの特別工法評定を取得
- プレキャスト部材の製造管理手法を確立するとともに、材料特性、構造性能および耐火性能を確認し、ゼロセメントタイプのサスティンクリートが一般的なコンクリートと同様に取り扱うことができることを国内で初めて実証
【構造性能実験(柱梁T形架構)】 |
【実大載荷加熱試験(柱)】 |
【構造性能実験による柱梁接合部の最終破壊状況】
関連リリース